転職はそれなりにリスクが有る
転職する時しっかり考えていますか
まずはじめに、転職自体は決して「悪」ではありません。
キャリアアップのため、社会貢献のため、自分のやりがいのため。様々な目的で転職を考える人も多いと思います。
しっかりした目的があり、よく考えた結果としての「転職」はポジティブに考えるべきだと思っています。
実際、癒々でも転職に伴う退職に関しては、応援するスタンスで、ポジティブにとらえています。
でも安易な気持ちや常識で転職を考えているなら、あなたは大きな「損」をします。
医療業界は退職金が低いという話を聞いたことがある人はいますか?
これはある意味本当で、同時に大きな間違え。
退職金が低いのは、医療従事者はその多くが、転職を何度も繰り返すためです。
一般的な職種では、特に日本では転職は少ないのが通常です。
1つの企業で、社会人としての一生を終える方と比較して、転職を繰り返した人の退職金が少なくなるのは当然です。
特に数年で転職を繰り返した人は、生涯年収では数百万の収入を失うリスクを伴っています。
こういった事実は、療法士業界では語られない傾向が強いです。
当たり前のように初めの3年は○○で経験を積んで、その後△△に転職して最後は××をやりたい。
こんなセラピストの人生設計をよく聞きます。
収入と言う一点を考えるなら、この設計図は大きな「損」を約束された設計図だという事を知っておいてください。
なぜこういう事が語られないのか。
そこには大きく2つの理由があると思っています。
1つは、今経験年数が25年を超える方と、経験年数が15年未満の人で、初任給や昇給、ボーナスが大きく違っていたことにあると思います。
ベテラン、重鎮と言われるような世代の方で、今の理学療法士・作業療法士の平均給与や待遇と同じ条件で40代、50代を迎えた人はごくわずかです。ほぼいないと言えます。
もっとわかりやすく言えば、子供が高校受験を迎え、生活費が大きく膨らむ時期に、20万台の給与で働いていた人はほとんどいません。もっともらっていました。
そして、その状況を特別だとは思っていないその世代の先輩や上司が、自分の背景をそのままにキャリアアップの話をし、あなたの40代、50代を語っているのが理学療法士・作業療法士業界の現実です。
それが全て間違いだとは言っていません。
しかし、考える事をせず何となく今までの人たちがそうだったからと言う理由で、自分も同じ道を選ぶ事はやめて下さい。
事実が語られないもう一つの理由に、病院の経営者の考え方と、理学療法士・作業療法士が人事に関わっていない現実が大きく影響していることも挙げられますが、これはまたの機会にお話しします。
「転職」は様々な意味で、大きなチャンスがあるのは事実です。
しかしそれ以上のリスクとストレスを伴うライフイベントです。しっかり考えて、大胆に決断して下さい。