転職時に理学療法士の実力は評価されますか
優秀な理学療法士はどこにいる?
あなたは優秀な税理士をご存知ですか。優秀な社会保険労務士は? 優秀なファイナンシャルプランナーは? 優秀なシステムエンジニアは? 優秀な保育士は? 優秀な教師は?
大半の方が「よく分からない」と思うのではないでしょうか。業界が全く違うから仕方ないかも知れないですね。
では優秀な医師は? 優秀な看護師は? 優秀な薬剤師は? 優秀な管理栄養士は? 優秀な臨床検査技師は?
業界が同じでも意外と知らないのが現状ではないですか。
もっと近いところでは、PTのみなさん優秀なOTは誰なのかご存知ですか。
残念ながらこれも「よくわからない」と言う方が多いのではないでしょうか。
もっと言えばPTのみなさん、優秀なPTをご存知ですか?
論文や著書で有名な方、自分の上司や先輩、恩師なら優秀と思えるPT・OTを知っていると思います。
でも「近隣の病院で誰が?」と聞かれると、即座に応えられないのではないですか。
もっと言えばあの人は○○の点で優れたPTだと言える存在はほとんどいないのではないでしょうか。
自分の業界、同業者でもこんな感じです。
では病院や施設の人事担当者が、私達の力を、経歴を、経験を正当に評価できると思いますか?
答えは勿論「No」です。
転職の時に経験年数は何の意味があるのか
私達が転職時に頼りにしている「経験年数」は実際どれほど評価されているのでしょうか。
これも答えは「あまり参考にしていない」です。
「新卒よりも慣れているでしょ」程度だと思って下さい。
ただ私達が固執するので「経験者優遇」を謳ってくれている程度です。
つまり、あなたの臨床での力量は、考慮されていないと思って下さい。
「理学療法士」なら全部一緒、年齢は出来れば20代で若いほうが、今の職場でうまくやってくれるのではないかな。程度で比較されます。
この事実を知らないから理学療法士は「いつでも転職出来る立場だ」と思い込んでいます。
「転職で待遇が改善される」と勘違いしています。
一般の職種なら30を超えての転職はヘッドハンティングを除けば、ほとんどが失敗に終わります。(ちなみにセラピスト業界のヘッドハンティングはほとんど存在しません。皆さんがそう思っているのは、大半がただの紹介です)
転職時は、自分を正当に評価してくれるところを探してください。
目安は「人事権を、持ったセラピストがいる所」です。
残念ながら業界にはまだごく一部しか存在しません。採用不採用の決定に携われるというだけでは「人事権」とは言えません。
役職や給与に対して、経営者に影響を与えられる立場があることです。
まだまだ業界内では難しい環境ですが、そういったところでは、正当に評価される可能性も高く、年齢に関わらず、見合った条件で転職できる可能性はあります。
30歳を超えた方、そういったところを探してください。
自分の職場でも、是非そういった立場の理学療法士がいる環境を目指してください。
「出世」みたいなものを気にするのは、医療業界で現場に携わる者として邪だ、みたいな空気があるのは事実です。
しかしそのせいでベテランの、実力がある医療人が、十分な待遇で働けないのも事実です。
自分のためにも、後輩のためにも、私達の業界は立場を確立することを考える時期に来ています。
「理学療法士だから一律」と言う時代を終わらせなければいけません。