セラピストの苦手
常々、私たちセラピストは狭い世界で生きていて
『社会性』というものが非常に乏しい人種だと痛感させられることが多い。
専門職として努力をしてきたプライドは、その表出にも影響を及ぼす。
10人10色のキャラクターを示す利用者に対して、
10通りのキャラクターをもって接することができないのだ。
多くて2、3通りの自分自身の姿でしか、相手に想いを伝えることができない。
人に、ああしろ、こうしろ、と指導をするくせに自身の姿を変えることが本当に苦手な人種だ。
一般的な『社会人』であれば、きっと業務を遂行していくために何十通りものアプローチ方法を練り固め突き進んでいく。
そのミッションを成功させるために。
だけど、私たちは、頭のどこかで自身の優位性というものを認識していて、通り一辺倒なアプローチ方法しか用意できない人種なのだ。
これからのリハビリテーション業界において、セラピストが飽和状態になってくる、
すなわち『結果』をきちんと出せるセラピストが選ばれるようになる。
知識や技術は、常日頃の努力でどんどんどんどん向上させることができる。
『結果』に一歩ずつ近づくことができる。
けれど、例えば同じだけ努力して同じだけの知識・技術を備えた人間が二人いたとしたら・・・
最終的に選ばれるポイントとなるのは、もしかしたら人間性で、
つまりは一つでも多くのキャラクター、表出方法を持った人間が強いのかもしれない。
自身のキャラクターを変えるというのは、結構なエネルギーがいるし、何だか恥ずかしい気がする。
でも、一度その殻を破ってしまえば、後の結果は、間違いなく自身のセラピストとしての幅につながるに違いない。
さぁ、勇気を出して、もう一人の自分を表に登場させてみよう。