職場と業界に描く理学療法士の将来展望
自分の、自分達の、業界の、将来を悲観した話はよく聞きます。聞き飽きています。それ以上に不安をあおり、無理な行動に駆り立てる話はもっとよく聞きます。
私達理学療法士や作業療法士の未来は、本当に悲観される未来なのでしょうか。
残念ですが、このままではそんな未来になると思います。でも変えられる未来です。
「あなたやあなたの周りの理学療法士や、作業療法士は、患者さんに対して何をしていますか」
「あなたが担当した患者さんは、満足して新たな生活に踏み出せていますか」
こう書かれると、否定されているようにとらえてしまうあなたは「負け癖」がついている証拠です。もしくは本当にダメなのか野どちらかです。
断言できます。私達はそれなりの成果を出しています。患者さん自信や身近なご家族は実感してくれている方が多くいます。ですが私達は、ネガティブにとらえる癖がついています。なぜでしょう。
1つには、私たち自身が、まだまだもっと出来る事を知っているからです。「もっと勉強していればこんなこともできたはず」「もっとしっかり見ていれば気付けたのに」「もっと考えていれば、違った方法が出来たのに」毎回こういう気持ちがあるのに、それを無視し明日の臨床に立ち続けるからです。
1つには、理学療法士や作業療法士に二極化が進んでいるからです。「努力し日々進歩するものと、記憶と経験だけに頼り日々劣化していくもの」の二極化です。どちらに属する人もダメな人の数が増え、それが目につくために自分達の業界に明るい未来が描けなくなっています。「あいつらがいるから」もしくは「頑張ってもしょせん」と思いながらネガティブな思考に陥ります。
1つには、公的な評価を得る事の意味が軽視されている事です。ここには論文等の臨床以外の一手間が必須です。この手間を惜しむ、あるいは避けるために「名誉を求めている」や「臨床に集中すべき」と言った詭弁で、これを臨床現場が避けている現実があります。基礎研究としての論文の数に比べ、臨床研究は少なすぎるのが現実です。医療費を抑えたい側からすれば、立証されたデータの無い私達の働きは、評価を下げるのに格好の的です。事実として、医師が関与しない私達の作業は軽視され、理学療法士、作業療法士自身の価値は下げられ続けています。
どの理由も、「私達個人が努力し」「自分の臨床現場の空気を変え」「新たな事に挑戦する」ことで改善に向かいます。自分の将来を悲観し、転職を繰り返すことで現実逃避する先には、あなたが描き恐れる悲惨な将来が待っています。
今の職場がポジティブな未来に向いているのか、ネガティブな空気が蔓延し週末と終末だけを待つ職場なのかを見極めて下さい。給与や休みの条件面も大切です。しかし、多くの時間を費やす「仕事」に未来を描けない職場を作ってはいけません。誰かが変えてくれるのを待つのもいいですが、あなた自身出そのきっかけを作ってください。それが出来ないようなら、そんな職場だけを探してください。ダメな職場が駆逐され、未来に向かう職場が増えることで、私達の未来が開けます。